オアフ島のホノルル市、山側にあるマノアの街は、トレイルコースやハイキングコース、熱帯林があることでも有名です。
その内のひとつ「ライアン(ライオン)植物園」は、ハワイ大学が管理・運営している広い植物園。
ここでしか見られない植物や木々、草花に出会えます。
この記事では、ライアン植物園について解説します。どのような植物園で、どのような歴史があるのかを確認してみましょう。
また、ライアン植物園の楽しみ方と注意事項などについても記載しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ライアン植物園はハワイ大学マノア校の一般公開されている研究施設
ライアン植物園は、全米で唯一、大学の施設として運営されている熱帯雨林の植物園です。
正式名称は「ハロルド・L・ライアン・アーボリータム」といい、アーボリータムは「樹木園」という意味です。
アメリカ本土のミネソタ州から招かれた植物学者のライアン博士によって創設された、植物を研究するための実習林でした。
博士の死去によりハワイ大学の管理となり、1972年より一般公開されています。
東京ドーム16個分のスケールを誇る植物園で、観察できる植物は8000種類以上にものぼります。
約11㎞のトレイルコースがあり、気軽にハイキングが楽しめるため、地元の方にも人気です。
入場料は無料ですが、入場の際に$10程度の寄付金が推奨されています。
▼以下の記事でお隣にある「マノアの滝」について解説しています。
https://leaf-bean.cafe/hawaii-media/2596/
ライアン植物園の詳細
・名称:ハロルド・L・ライアン・アーボリータム
・住所:3860 Mānoa Road Honolulu, HI 96822
・電話番号:808-988-0456
・営業日時:月~金8:00~16:00 / 土曜日9:00~15:00
・入場料:無料だが入場には予約が必要 入口にて寄付が推奨される
・休業日:日曜日・祝日
・トイレ:あり
・駐車場:あり
・公式サイト:https://manoa.hawaii.edu/lyon/
※2024年の情報です。訪問前には公式サイトを確認するようにしてください。
▼以下の記事でハワイの植物園とフォスター・ボタニカル・ガーデンについて解説しています。
ライアン植物園の歴史
ライアン植物園ができた過程には、ハワイの深刻な環境問題が関係していました。
20世紀初頭までのハワイでは、マノア渓谷は牛の放牧や農地として使われていました。
さらに砂糖の製造につかう木材の調達を目的に原生林が伐採されており、牛によって大地が踏みしめられることで、ハワイ原産の植物が自力では再生できない状態まで追い込まれていたそうです。
土地が硬くなると水を吸収できなくなります。その結果、植物の成長を妨げ、水が循環しなくなるため、さとうきびの農産業に深刻なダメージを与えてしまいます。
さらに、いずれは人が飲む飲料水すら確保できなくなるという大きな問題がありました。
そのような環境問題を解決するため、ハワイさとうきび生産者協会が専門家であるライアン博士に依頼します。
マノア渓谷の一区画を購入し、健全な土壌を取り戻すために植栽試験を開始したのです。
博士はオアフ島に育つ外来種の樹木を調査し、マノア渓谷で再植林に挑みました。取り組みから20年が経つと、マノア渓谷は豊な緑を取り戻すことに成功。
1945年に再植林プロジェクトは完了しています。1950年代に、マノア渓谷で再生できた植生を守るため、ハワイ大学が土地の管理を引き継ぎました。
博士の名前を冠した植物園として運営することを決定します。現在この植物園は、多くの植物の保全活動を通して教育や研究分野に貢献することが目的で、運営されています。
ライアン植物園の楽しみ方
ライアン植物園では次のような楽しみ方があります。
- アイフアラマの滝までハイキング
- ビジターセンター周辺を散歩
- ガイド付きツアーで植物の勉強
アイフアラマの滝までハイキング
ハイキングコースは複数ありますが、一番の人気はアイフアラマ滝を目指す約3.5㎞のハイキングコースです。
普通の速度で歩いて1時間から1時間半ほどで往復できるため、子連れや高齢者の方でも問題なく楽しめますよ。
見たことがないさまざな種類の植物を見ながら、アイフアラマの滝まで景色を堪能しながら歩きましょう。
注意点としては、アイフアラマの滝はもともと水量が少ない滝であるため、夏場(5月から11月ごろまで)はほぼ流れ落ちる水がありません。
滝の流れが見たい方は、冬場(12月から3月ごろ)の訪問がおすすめです。
ビジターセンター周辺を散歩
ビジターセンターの周辺を散歩するだけでも、十分植物を楽しめます。
所要時間は30分ほどで、マイナスイオンを浴びながらの散歩目的なら十分です。
園内にはピクニックサイトもあるため、サンドウィッチやプレートボックスなど軽食持参で行く人もたくさんいます。
ガイド付きツアーで植物の勉強
ガイド付きのオプショナルツアーもあります。
平日の朝10時からで、有料、予約が必要ですが、より深くライアン植物園とそこに生えている植物について理解を深められます。
ライアン植物園での注意事項
ライアン植物園での注意事項を確認しておきましょう。
- 植物は毒性のものもあるため手で触れないようにする
- 樹木の花、実、種などの採取は禁止
- 川や滝などの水辺では中に入らない
- ペットの同伴やドローンの持ち込み禁止
植物園の植物には、毒を持つものもあります。手で触れたり口に入れたりしないようにしてください。樹木の花や実、種などの採取も禁止されています。
特に小さな子ども連れの方、植物が好きな方は、悪気なく花や実を取ったり食べたりしてしまうことがあります。保護者の方は注意喚起し、行動を見守るようにしましょう。
また、川や滝などの水辺では泳いだり足を水に浸したりしないようにしましょう。土砂崩れが起きたり、水の中にいるバクテリアが悪さをする危険性があります。
ライアン植物園ではペットの同伴はできません。またドローンを飛ばすこともできませんので、注意してください。
おすすめの持参アイテム
ライアン植物園に行く際には、以下のアイテムの持参をおすすめします。
- 虫よけスプレー
- 水
- 羽織もの
虫よけスプレーは必須です。また、森の中では夏でも肌寒いときが多いため、軽く羽織れる上着があると重宝しますよ。
もちろん水も持っていきましょう。忘れた場合はビジターセンターで購入もできます。
なお、植物園では基本的に道の渇きが悪く、ぬかるんだ箇所が多くなっています。汚れても良い運動靴で行くことがおすすめです。
ライアン植物園で熱帯林体験! ハワイの原生林を楽しもう
ライアン植物園はもともと研究目的で作られた実習林です。
ハワイの環境問題の解決策を探るためにアメリカ本土からきた植物学者のハロルド・L・ライアン博士によって作られ、維持、管理されてきました。
現在はハワイ大学が管理・運営をしており、ジャングルのハイキングを楽しめる場所として人気があります。ただし、入るには予約が必要です。公式サイトから予約することを忘れないようにしてくださいね。
日本ではなかなか見られない、珍しい熱帯の植物を楽しみましょう。
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