毎年9月、ワイキキのカラカウア通りが花と音楽で埋め尽くされるのをご存じですか?
ハワイで最も長く続く文化の祭り「アロハ・フェスティバル」は2026年に創設80周年を迎えました。
パレードで馬に乗って進む女性たちの衣装の色には、実はひとつずつ意味があります。それを知っていると、来年の見え方がまるで変わってきます。
目次
戦後の「誇りを取り戻す」ために始まった祭り
アロハ・フェスティバルの始まりは1946年。地元の青年会議所の元メンバーたちが「アロハ・ウィーク」として立ち上げました。
終戦直後のハワイでは、ハワイアン文化が長い間、表舞台から遠ざけられていました。元運営責任者のゴリアン・アカウ氏は、「戦後のハワイアンにはアイデンティティが必要だった。自分たちの文化を祝い始めたことで、誇りを取り戻せた」という趣旨の言葉を残しているとされます。
祭りのモデルになったのは、古代ハワイの新年祭「マカヒキ」だといわれています。マカヒキは、プレアデス星団(ハワイ語でマカリイ)が夕方の空に見えることで始まりを告げる、収穫と平和の季節でした。観光イベントのように見えて、根っこには星の暦と結びついた古い祭りがあるのです。かつては6つの島で開催されていました。
ただ2008年に資金難からオアフ島中心の開催へ縮小され、フローラル・パレードも一時は中止の危機にありました。その時は民間の寄付とホノルル市郡の資金でなんとか存続したそうです。2020年はコロナ禍で開催されませんでしたが、2021年に再開しています。
9月の3つのメインイベント——2026年の日程から見る「流れ」
アロハ・フェスティバルは1日だけのイベントではなく、ほぼ1か月かけて行われます。2026年のテーマは「80 Years of Aloha: Our Culture, Our Stories, Celebrating Our Island Home」で、無料の公開イベントが3つ開かれました。
- ロイヤルコート叙任式&オープニングセレモニー(9月5日):ロイヤル・ハワイアン・ホテルのココナッツ・グローブと、ロイヤル・ハワイアン・センターのロイヤル・グローブが会場。その年の「王・王妃・王子・王女」役(ロイヤルコート)が、最高位のアリイ(首長)だけが身に着けた装いで登場します。ロイヤルコートはハワイアンの血を引く応募者から選ばれるとされ、フラやチャントとともに祭りの幕が開きます。
- ワイキキ・ホオラウレア(9月19日):「ハワイ最大のブロックパーティー」と呼ばれる夜祭り。カラカウア通りに屋台と手工芸のブースが並び、複数のステージで地元アーティストやフラの演舞が披露されます。ステージは夕方6時ごろから、屋台はその前の午後4時ごろから開いていました。
- フローラル・パレード(9月26日):午前9時〜正午。アラモアナ・パークを出発し、カラカウア通りを抜けてカピオラニ・パークまで進む花のパレードです。
旅行者が狙うなら夜のホオラウレアと翌週土曜のパレードを両方楽しめる「9月中旬〜下旬の土曜を2回挟む日程」がおすすめです。
ただし開催日は毎年変わるので、来年の日程は公式サイトの発表を確認してください。
パレードの主役「パウ・ライダー」と島ごとの色
フローラル・パレードで一番大きな歓声を集めるのは花のレイで飾った馬にまたがり、裾の長いスカートをなびかせて進む「パウ・ライダー」です。
12ヤードの布をボタンなしで巻く
「パウ」はもともと、古代ハワイの女性がまとっていた樹皮布(カパ)の腰巻きのことです。
1803年にアメリカ船がカメハメハ大王へ馬を贈ったことをきっかけに、19世紀半ばのハワイでは乗馬が移動手段としても娯楽としても広まりました。ハワイの女性たちは横乗りではなく馬にまたがって乗ることを選び、晴れ着を泥から守るためにパウを長く仕立てるようになったといわれます。
驚くのはその着付けです。1枚布の長さは最大で約12ヤード(約11メートル)。ボタンもピンも使わず、布の中にククイの実をねじり込んでウエストに留めます。巻き方は家ごとに受け継がれていて少ないククイで前から巻く流派もあれば、後ろから布を寄せて8個ほど使う流派もあるそうです。
1906年の「復活劇」
自動車の普及でいったん姿を消したパウ・ライディングは1906年2月、ワシントン誕生日を祝うホノルルのフローラル・パレードで復活しました。当時の地元紙「The Hawaiian Star」はパウ・ライダーを行列の目玉として大きく報じています。
アロハ・ウィークの誕生より40年も前から、パウは「パレードの華」だったのです。
色を見ればどの島か分かる
パレードでは、パウ・クイーンの後に8つの島それぞれを代表する「パウ・プリンセス」の隊列が続きます。
衣装と馬の飾りは、その島の色と花で統一されています。
- ハワイ島:赤/オヒア・レフア
- マウイ島:ピンク/ロケラニ(マウイ・ローズ)
- ラナイ島:オレンジ/カウナオア
- カホオラウェ島:グレー(シルバーブルー)/ヒナヒナ
- モロカイ島:緑/ククイ
- オアフ島:黄/イリマ
- カウアイ島:紫/モキハナ
- ニイハウ島:白(茶)/ニイハウ・シェル(貝)
オアフの黄色いイリマは、黄色い花が特に尊ばれてきたといわれます。
カウアイの紫は、アニスのような香りのするモキハナの実で、この実はカウアイ島にしか見られないそうです。色と島を覚えておけば、隊列が近づくたびに「次はマウイだ」と分かるようになります。
地元流の見方——場所選びと、パレードの「その後」
公式サイトではアラモアナ・パーク、プリンス・ワイキキ、ロイヤル・ハワイアン・センター、モアナ・サーフライダーの近くにある観覧スタンド周辺で観るよう案内しています。ここではアナウンスによる解説が流れるので、どの隊列が何を表しているのかを聞きながら楽しめます。
一方で、カラカウア通りの沿道は午前中から日差しが強く、日陰が少ない区間もあります。帽子と水は必携です。
もうひとつの楽しみが、パレードのルートがワイキキの主要ホテル街をそのまま通ることです。宿泊ホテルの前がルートになることもあるので、朝食後に部屋から出てすぐ沿道に立てるのは、ワイキキ滞在者ならではの特権です。ゴールのカピオラニ・パークは、パレードを終えた馬や騎手が集まる場所です。
ハワイ気分を登戸でも
パウ・ライダーが身にまとう花や色は、「自分の島を誇りに思う」気持ちの表れです。
遠く離れた場所にいても、その土地の空気を感じられる場所があると、次の旅までの時間も楽しみに変わります。
登戸駅から徒歩5分の「LEAF&BEAN」は、「CONNECT WITH COMFORT」をコンセプトに、ハワイの心地よさを感じられる空間でゆっくり過ごせるカフェです。自家製のグルテンフリースイーツや栄養バランスを考えたフード、体にやさしいドリンクを用意しています。
旅の写真を見返したり、来年のアロハ・フェスティバルの計画を立てたりするひとときにぴったりです。
次のハワイ旅行の計画は、登戸のカフェで
自家製グルテンフリースイーツとやさしいドリンクで、ハワイの空気を感じるひとときを。神奈川県川崎市多摩区登戸3282-1 Ohana Bld.、登戸駅から徒歩5分です。
まとめ
アロハ・フェスティバルは、1946年に「文化への誇りを取り戻す」ために始まり、2026年で80周年を迎えました。見どころのフローラル・パレードでは、約11メートルの布をククイの実だけで留めたパウ・ライダーたちが、ハワイ島の赤、マウイ島のピンク、オアフ島の黄、カウアイ島の紫と、8つの島の色をまとって進みます。
9月にハワイを訪れるなら、ワイキキ・ホオラウレアの夜とパレードの朝を日程に入れてみてください。来年は、カラカウア通りを近づいてくる隊列の色で、どの島か当ててみてはいかがでしょうか。