マカダミアナッツと聞けばハワイを原産地と連想する方も、日本には多くいるのではないでしょうか。
ハワイへ旅行した際にお土産としてマカダミアナッツチョコレートを買われる方が多かったため、定番だとイメージするのかもしれません。
しかし、実際にはマカダミアナッツの原産国はハワイではないということはご存じでしょうか。
この記事では、マカダミアナッツがなぜハワイで有名になったのか、ハワイにマカダミアナッツが渡った歴史、ハワイで愛されるマカダミアナッツの食べ方などを解説します。
高級品で知られるマカダミアナッツについて、さまざまなことを学んでみましょう。
目次
マカダミアナッツとは? 原産地はオーストラリア
マカダミアナッツは1857年にオーストラリアのクイーンズランド州で発見されました。
発見者は植物学者のフェルディナンド・ヴォン・ミューラーとウォルター・ヒル。
彼らの良き友人で著名人でもあった化学者のジョン・マカダムから名を取って、マカダミアナッツと名付けたと言われています(諸説有り)。
発見地の名前から「クイーンズランドナッツ」とも呼ばれています。
【マカダミアナッツ】
・学名:Macadamia integrifolia ヤマモガシ科
・ハワイ名:Makakema,makeima,makekemia
・原産地:オーストラリア東部
・種類:低木
淡黄色もしくは濃ピンクの小さな花が房状につきます。
幼樹が生育するには最低でも10℃が必要で、25℃が最適温度とされています。
実は美しい球形で乳白色をしており、噛むと適度な歯ごたえがあり、味は淡泊ながら上品な甘さがあります。
素手では割れない非常に硬い殻に包まれています。
成長して実をつけるまでには8年ほどかかるため、収穫まで長い時間が必要です。
マカダミアナッツが高価な理由
前述したように、マカダミアナッツは収穫までに8年程度の時間がかかります。
さらに、世界一とも言われるほどに硬い殻をむいて実を加工する手間がかかること、主産地であるオーストラリアの人件費の高さなどがあることで、ナッツの中でも特に高級品とされています。
マカダミアナッツとハワイ
マカダミアナッツは元々オーストラリアが原産国ですが、現代でもマカダミアナッツといえばハワイを連想する人もいます。
その歴史と理由をみていきましょう。
マカダミアナッツのハワイでの歴史
マカダミアナッツの木は、1882年と1885年にオーストラリアから輸入されました。
最初は食用としてではなく、当時ハワイ王国で盛んだった、サトウキビのプランテーションの防風林として活用するためでした。
その後食用としての価値が知られると、1920年代以降にハワイ大学が研修、品種改良や栽培方法の研究を進めます。
またその当時、ハワイのコーヒーの収益が上がることでマカダミアナッツ農園主は苦境に陥ったため、ハワイ州政府が5年間の免税を実施しました。
その結果、1950年代には作付け面積は大きく伸び、今日のマカダミアナッツ産業の基盤を確立しています。
マカダミアナッツの栽培はサトウキビやパイナップルを抜いて、ハワイを代表する特産物になりました。
マカダミアナッツがハワイで有名になった理由
マカダミアナッツがハワイで有名になった理由は、栽培量が増えたことと、お菓子への商品化が成功したことによります。
日系3世のタキタニ夫妻がマカダミアナッツとチョコレートの相性の良さに気付き、2つを組み合わせて商品化したところ、大変な人気がでました。
商品化から10年後の1970年代には「ハワイアンホーストのマカダミアナッツチョコレート」はハワイ土産の定番となるまでに人気となります。
現在はオーストラリアがハワイのマカダミアナッツの生産量を抜いていますが、ハワイ土産の定番であったことから、マカダミアナッツはハワイが原産だと思っている人もまだたくさんいます。
マカダミアナッツは栄養たっぷり
マカダミアナッツには、炭水化物・タンパク質・脂質・食物繊維・ビタミン・ミネラルなど多くの栄養成分が含まれています。
そのため、オーストラリアの先住民族アボリジニの人々にとっては貴重な栄養源であるうえに、お祝い事などで食べるご馳走でした。
マカダミアナッツはコレステロールがなく味が良いことに加え、高級商品のため特別感も手伝って、とても人気があります。
しかし、マカダミアナッツ100g(45〜60粒程度)のカロリーは何と720kcalと高め。
そのため、1日に食べる量は30g(15〜20粒程度、片手に軽く一杯程度)にすることがおすすめです。
マカダミアナッツの約8割を脂質が占める
マカダミアナッツの中でも多いのが脂質で、不飽和脂肪酸の「オレイン酸」と「パルミトレイン酸」が占めています。
内訳の約8割が脂質ではありますが、そのほとんどが健康に効果的な不飽和脂肪酸なのです。
オレイン酸はオリーブオイルにも含まれているもので、総コレステロール値を下げる効果が確認されています。
がんなどの原因にもなる過酸化脂質が作られにくいという性質もあるため、アンチエイジングにも効果が期待できるでしょう。
パルミトレイン酸は、ナッツ類の中でも特にマカダミアナッツに多く含まれる不飽和脂肪酸で、インスリンの働きを促すため糖尿病予防に効果があるとされます。
また、肌のハリやツヤを維持する効果も期待できるそうです。
参考:日本植物油協会「脂肪酸のはたらき」
ナッツ類のアレルギーを持つ方は注意
日本においてはアレルギー物質には指定されていませんが、指定されていないナッツ類の中で、マカダミアナッツによるアレルギーの症例数はゼロではありません。
また、ナッツアレルギーには交差反応があるため、他のナッツ類でアレルギー反応が出たことがある方は、マカダミアナッツでもアレルギーが出るかもしれないと考えるようにしましょう。
ナッツ類のアレルギーは重篤になるケースが多いため、食べる前に必ず医師の診断を仰ぐようにしてくださいね。
ハワイで愛されるマカダミアナッツの食べ方
ハワイでは、マカダミアナッツは以下のような食べ方が好まれています。
- ローストする
- チョコレートコーティングする
- パンケーキのソースにする
- アイスに練り込む
ローストする
油も塩も使わずに焙煎すると、マカダミアナッツが持つ本来の甘さや香りがしっかり味わえるために人気です。
フライパンで焼き、チーズやガーリック、ワサビ味などのパウダーをかけて食べる方もいます。
チョコレートコーティングする
湯煎で溶かしたチョコレートにかけたり、チョコレートと交互に食べたりします。
チョコはミルク味のみならず、抹茶やホワイトなど、さまざまなフレーバーに合わせて販売されています。
パンケーキのソースにする
マカダミアナッツを砕いてソースにし、パンケーキにかけて食べます。
マカダミアナッツで作ったソースは甘すぎず濃厚でさらっとしており、多くの観光客が注文するスイーツです。
アイスに練り込む
マカダミアナッツを砕いてアイスクリームに練りこんだり、ソフトクリームにトッピングしたりして歯ざわりと上品な味を楽しみます。
マカダミアナッツはハワイで愛されるナッツ! 摂取量に注意して楽しもう
マカダミアナッツがハワイへ輸入されたのは、最初は食用ではありませんでした。
しかし多くの栄養素を持つ上品な味のナッツだとわかってからは、ハワイでの栽培量は徐々に拡大し、ハワイを代表する産物となっています。
ハワイへ行く際には、さまざまなマカダミアナッツのスイーツをぜひ楽しんでみましょう。ただしハイカロリーであるため、食べ過ぎには注意してくださいね。
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