ハワイアンが愛するパイナップル! その概要・歴史・日本への持ち帰り方を解説

2024.2.13

南国ハワイで有名な果物はいくつもありますが、かつては世界のシェアの約8割を取ったほど栽培されていたのがパイナップルです。

パイナップルは外来種で元々ハワイにあった果物ではありませんが、ハワイの歴史に深く関わる農産物でもあります。

この記事では、ハワイの美味しいパイナップルの詳細や人気の種類歴史ハワイから日本へパイナップルを持ち帰る方法と注意点ハワイで人気のパイナップルテーマパーク施設などを解説します。

 

ハワイを代表するフルーツ! パイナップルはどんな果物?

ハワイを代表するフルーツ! パイナップルはどんな果物?

【パイナップル】

学名:パイナップル科アナナス属
ハワイ語:Hala kahiki(ハラカヒキ)
原産地:ブラジル
種類:多年草

表面はごつごつしており、中身は黄色くてジューシーな甘いフルーツです。

葉は重なって硬く、葉の基部に水や腐植した葉を蓄えていて、そこから水分と栄養の補給をします。乾燥に強い植物です。

食べられるのは苞(ほう)と萼(がく)、花弁などが融合して果肉のように変化した部分で、集合果と呼ばれています。

増やし方は挿し木の要領です。実の頂点にある葉のような部分が芽で、芽か子株を切り取って砂地にさすと、新しい株が誕生します。

 

パイナップルの栽培のほとんどは手作業

パイナップルの栽培は、その工程のほとんどが機械化できないため、手作業部分が多くなります。

そのため、知識と時間、多大な忍耐力が必要で、収穫には多数の人の手が必要です。また、収穫時に鋭いとげから肌を守るため、作業員は気温が高い中、分厚いグローブと衣服を身にまとう必要があります。

パイナップルは、最初に収穫できるまでに18〜20カ月かかるうえに、同じ株での次の収穫はさらに15カ月待たなければなりません。

最後の実が収穫されると農地のパイナップルは一度全部引き抜かれ、新しく栽培サイクルを始めることになります。

 

通年食べられるが旬は夏場

ハワイは1年を通して温暖なため、パイナップルは通年通して味わえる果物です。

しかし、中でも気温が上がる夏場、5月〜9月までは糖度が上がり旬を迎えます。

 

ハワイで人気のパイナップルの種類

日本で食べられるパイナップルは酸味が強いものもありますが、ハワイのパイナップルは甘さやジューシーさが格別であると知られています。

中でもマウイ産が最も有名で、酸味が少なく芳醇な香りの「マウイゴールド」と「カパルアゴールド」が人気の品種です。

また、ハワイ島には白い果肉のホワイトパイナップルもあり、これは夏から秋にしか採れない珍しいもの。ヒロにあるファーマーズマーケットなどで販売されていますので、機会があれば食べてみてくださいね。

そして、ハワイで品種改良して特許を取得している「ハニークリーム」というパイナップルがあるのですが、こちらもとても人気です。

酸味はなく、甘くてクリーミーな味わいで、旬は5月〜9月ごろ。以前は農園でしか購入できませんでしたが、最近はドン・キホーテやワイキキのミツワ・マーケットなどでも買えるようになりました。

 

ハワイのパイナップルの歴史

ハワイのパイナップルの歴史

パイナップルは英名で、ハワイ語では「ハラ・カヒキ(Hala kahiki)」と呼ばれています。

ハラはハワイの植物でタコノキのこと、カヒキは海外と言う意味であるため、ハラ・カヒキは「外国から来たタコノキ」という意味です。

由来は、タコノキの実や香りがパイナップルに似ていたためだそうです。

ハワイで最初にパイナップルが登場したのは16世紀ごろという説がありますが、18世紀末にキャプテンクックが来島するまでの記録はあいまいではっきりとはわかっていません。

最も古い記録は1813年とされています。

当時のパイナップルの葉は極めて強靭で、かつては吹き矢の矢じりにつかわれてもいました。そして鋭いとげがあったために、人の手による栽培の効率が上がりにくく、耕作地を広げられませんでした。

しかし、1886年にジャマイカからとげがない品種が導入されたため、それがきっかけで耕作地が広がり、ハワイに広大なプランテーションが誕生します。

1900年代にはハワイのパイナップルは世界シェアで80%をしめるほどに成長しました。そして、1901年にジェームズ・ドールがハワイアン・パイナップル社をオアフ島に創立します。

その後ラナイ島を買い取った彼は、島ごとパイナップルのプランテーションに変えました。初期のパイナップルは「カイルア」と呼ばれており、サンフランシスコへ送られています。

パイナップル産業は、ハワイでのアメリカ文化の広がりと共に、ハワイの歴史に深い関わりがあります。

ハワイ王国の消滅とハワイ共和国の誕生、のちのアメリカ併合に大きな影響を与えました。

ハワイの歴史については、以下の記事を参考にしてください。

ハワイアンレイとは?歴史やレイに込められた意味と種類、タブーについて解説

現在、ラナイ島は東南アジアにパイナップルのシェアを奪われ、高級リゾート地に変身しています。

しかし、オアフ島にあるドール・プランテーションは今も健在で、家族で遊べる観光施設としても有名です。

 

ハワイのパイナップルを持ち帰る方法

ハワイのパイナップルを持ち帰る方法

ハワイで買ったパイナップルは、日本入国時に空港の植物検疫カウンターで検査を受けて合格すれば持ち込みは可能です。

ただし、ハワイで発行された検査証明書の添付が義務付けられているため、忘れないようにしましょう。

検査証の発行はオアフ島のダニエル・K・イノウエ国際空港やハワイ島のエリソン・オニヅカ・コナ国際空港にある植物検査局でもらえます。発行手数料は、個数にかかわらず61ドルです。

証明書なしで輸入した場合や輸入時の検査を受けなかった場合、3年以下の懲役や罰金が科せられることがあるので注意してください。

参考:ハワイ州観光局総合ポータルサイトAllhawaii「日本入国時の植物検疫について

 

ハワイでパイナップル農園を楽しめる! オアフ島のドール・プランテーション

ハワイでパイナップル農園を楽しめる! オアフ島のドール・プランテーション

ハワイのパイナップルと言えば、有名なのが「ドール・プランテーション」です。

日本でもドールのフルーツジュースなどは有名なため、多くの方が見聞きしたことがあるブランド名ではないでしょうか。

オアフ島にあるドール・プランテーションは、パイナップルのテーマパークです。

パイナップルだけでなく、ハワイで栽培されるコーヒーやカカオなどの南国の植物が育つ、8つのテーマの庭園があります。

植物を観察できるほかに、プランテーションの歴史についても学べる施設です。

 

ドール・プランテーションの目玉パイナップル・メイズに挑戦

ドール・プランテーションにはパイナップルの木で作られた巨大な迷路アクティビティがあります。2008年に世界最大の迷路としてギネスブックに認定されました。

迷路は12,000坪を超える広さで、通路はなんと全長約4㎞ほど。チェックポイントが8か所あって、発見する度に迷路のミステリーが明かされる仕組みになっています。

記録を超えたスピードで迷路を攻略した人には賞品が贈られます。また、迷路の入り口に名前が書き記され、施設の歴史として名を残せるそうです。

 

名物のパイナップルスイーツも食べられる

たっぷり遊んだあとは、ラナイで休憩しましょう。

ドール・ホイップはパイナップルをたっぷり使ったソフトクリームで、ドール・プランテーションの名物のひとつ。ほかにもマヒマヒのグリルやロコモコ、カルアポークなどのハワイアン料理も楽しめます。

 

ハワイに行ったらパイナップルを楽しもう!

ハワイには昔、巨大なパイナップルのプランテーションがあり、多くの世界シェアを持っていたためにパイナップルの島として有名だった歴史があります。

今もプランテーションの見学などができますので、ハワイへ行った際にはぜひ立ち寄り、美味しいパイナップルスイーツも食べてみてくださいね。


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