【ハワイ最古の植物園】フォスター植物園の歴史や見どころについて

2024.6.24
【ハワイ最古の植物園】フォスター植物園の歴史や見どころについて

ホノルルのダウンタウンにある「都会のオアシス」として有名なのが、フォスター植物園です。

こちらはハワイ王室ともゆかりが深く、アメリカの国家歴史登録財の指定も受けています。

この記事では、フォスター植物園の詳細や歴史、どのようなエリアや見どころがあるかについて、解説します。

2時間もあれば十分に堪能できる、心身を癒せるスポットですよ。

都会のオアシス「フォスター植物園」はハワイ諸島で最古の植物園

都会のオアシス「フォスター植物園」はハワイ諸島で最古の植物園

フォスター植物園はホノルルのダウンタウンにある植物園で、市が管理・運営する5つの植物園の中で一番の規模を誇ります。

そして、ハワイ諸島で最古の植物園でもあります。

敷地は5.5ヘクタール(55,000㎡)で、一般的な植物園と比べてすごく大きいわけではありません。

しかし、もともと個人の庭だったことを考えるとかなり大きいと言えるでしょう。

園内ではモンキーポッドやバニヤンツリーなどの巨木のみならず、1万種類以上の多種多様な熱帯植物が見られます。

入口で日本語のパンフレットがもらえるため、英語ができなくても詳細がわかるというのも、日本人観光客には嬉しいサービスです。

フォスター植物園

※2024年の情報です。訪問前には公式サイトを確認してください。

▼以下の記事でオアフ島の植物園について解説しています。

ハワイの植物園で大自然を満喫! オアフ島の植物園とホノルル最大の植物園も解説

 

フォスター植物園の歴史

フォスター植物園の歴史

フォスター植物園は、1931年に一般公開されました。

ハワイで最初にできた植物園ということで、アメリカの国家歴史登録財に指定されています。

では、歴史を簡単に振り返ってみましょう。

 

医師で植物学者のヒレブランド氏が作った庭

フォスター植物園がある場所は、元々カメハメハ3世の妻であったカラマ王妃が所有していた土地です。

1850年、ヒレブランドというドイツ人の医者で植物学者が、肺病の療養のために温かい土地を探してやってきました。

彼はアメリカにいた際に出会ったアメリカ人医師のウェズリー・ニューコムと、ハワイで病院を開業します。

病院の経営は軌道に乗り、ヒレブランドはニューコムの娘と結婚。王家にも病院での仕事が認められたためカマラ王妃から土地を借りることになり、その地に家を建てました。

植物学者でもあったヒレブランドはハワイの植物にも強い興味を持っており、その庭に大きな樹木を植えたことが、フォスター植物園の原型です。

ヒレブランドは王家の主治医としても働くようになり、王立病院の初代院長にも抜擢されています。

その傍ら、仕事で行った東南アジア諸国の植物や鳥、動物などをハワイへ持ち帰り、自宅の庭で育てていました。

ヒレブランドは自宅で育てた幾多の植物を多くの人に分配し、ハワイの農業や園芸を発展させた功績もあります。

 

マリー・フォスターが手塩にかけて育て守り拡大した庭

ヒレブランドがドイツに一時帰国した後、ハワイへ戻るつもりでいたのですが願いは叶わず、ドイツで倒れてしまいます。

そこで彼はハワイへの帰還を諦め、ハワイ王家の血を引くマリー・フォスターとその夫・トーマス・フォスターに土地を売却することにしました。

フォスター夫妻はヒレブランドが作った庭園にさらに手を加え、さまざまな植物を植えていきます。

1889年に夫のトーマスが死去。妻のマリーはその後40年ほどひとりで庭園を守り、植物を増やし、かんがいシステムを導入するなどして、手入れを続けていました。

自分の死後もこの美しい庭園を守りたいと考えたマリーは、庭園内でさとうきび農業の研究開発の責任者をしていたハロルド・L・ライアン博士に相談します。

そして彼の助言によって、フォスター家の土地を美しく保つことを条件に、ホノルル市に遺贈することに決めました。

ちなみにこのハロルド・L・ライアン博士は、他にも研究用実験フィールドを持っており、そこは「ライアン植物園」として現在一般公開されています。

ライアン博士はフォスター植物園の初代ディレクターでもあった人物ですよ。

▼以下の記事で「ライアン植物園」について解説しています。

ライアン植物園は隠れた穴場スポット! 植物園の歴史や楽しみ方を解説

フォスター植物園のエリア紹介

フォスター植物園のエリア紹介
フォスター植物園には、ホノルル市が指定する数多くの保存樹があります。

保存樹とは、歴史的、そして文化的な側面を持ち、樹齢や大きさ、美しさ、固有性、ロケーションなどから保存すべきだと評価された樹木のことを指します。

以下で簡単に代表的な各エリアを紹介します。

ハワイのホノルル周辺へ訪問時にはぜひ保存樹を探してみてください。それぞれに名札がついているので、見つけやすくなっています。

【ライアン博士の洋ラン園エリア】

初代ディレクターであり、マリー・フォスターに植物園の運営について助言した、植物病理学者のハロルド・L・ライアン(ライオン)博士が特に情熱を傾けた洋ランのエリアです。

洋ランだけでなく、プルメリアも観賞できます。

【奥のテラスエリア】

フォスター植物園で最も古いエリアです。

1855年にカメハメハ3世の妻・カラマ王妃からヒレブランドが借りた土地で、家を建てた場所です。

【ヤシのガーデンエリア】

さまざまなヤシが植生するエリアです。

ここでの保存樹は、ハワイ原産のLouluという木です。

【有用植物園エリア】

ハーブやスパイス、染料、コーヒー、カカオなど、人が有用に使える植物のエリアです。

さまざまな香りが楽しめます。

【先史植物の小庭エリア】

ソテツを始めとする、世界最古の種苗植物が植生するエリアです。

見どころは、恐竜より古い2億5,000万年前の植物。また、珍しい虹色をしたユーカリも見られます。

【大仏エリア】

フォスター植物園には、1968年に神奈川県知事より寄贈された大仏(レプリカ)が鎮座しています。

これは日本人移民100周年を記念したものです。

見逃し厳禁! フォスター植物園のみどころ

見逃し厳禁! フォスター植物園のみどころ

フォスター植物園には珍しい植物がたくさんありますが、次の2つは見学必須です。

【キャノンボールツリー】

キャノンボールツリーはホウガンノキとも呼ばれている、エキゾチックな甘い香りがする木です。

ブラジルナッツの仲間で南米が原産地。花が幹から咲きます。

名前の由来は大きな包含型の果実から。木の下にいて実が落ちると危ないので、注意しましょう。

【菩提樹】

1913年にマリー・フォスターによって植えられた菩提樹です。

これは2,500年以上前に、インドのブッタガヤでお釈迦様が悟りを開いた菩提樹の子孫と言われています。

お散歩にピッタリ! フォスター植物園でたっぷり癒されよう

フォスター植物園はダウンタウンの近く、ワイキキから車で20分ほどとアクセスしやすい場所にあります。

個人の庭だったとは思えない広い敷地内はきちんと整備されており、美しくユニークな植物をたくさん観賞できる場所として人気です。

都市部でのお散歩にもぴったりの場所であるため、気軽に立ち寄ってみてくださいね。


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