ハワイ旅行で贅沢にアートに触れたい方は「ホノルル美術館」がおすすめです。
世界中の有名画家の作品のみならず、ハワイの歴史ある工芸作品や中国の皇族の衣装、日本の浮世絵など幅広いコレクションが展示されています。
この記事では、ホノルル美術館とはどのような美術館か、その歴史やコレクションについて解説します。
魅力溢れるハワイ最大の美術館で、人類の素晴らしい歴史的作品を楽しみましょう。
▼ハワイの文化について以下の記事で詳しく解説しています。
目次
ホノルル美術館はハワイ最大の総合美術館
ホノルル美術館はハワイ最大、そして屈指の美術館です。
HoMAとも呼ばれており、ダウンタウンの東側、ベレタニア通りにあります。アメリカやハワイ州から歴史的重要建造物に指定されています。
世界中から収集したコレクションは、約55,000点。これはシカゴ美術館やボストン美術館に継ぐ、全米第3位の収蔵数です。
ヨーロッパの絵画の巨匠たちのみならず、ハワイの伝統的なアートはもちろんのこと、アジアやアフリカと幅広いアートが揃っています。
中でも日本の浮世絵は数が多く、歌川広重作品の収蔵数は世界一です。美術館の展示は国別に分けられており、常設展示室は約30あります。
ホノルル美術館の詳細
・施設名:The Honolulu Museum of Art
・住所:900 South Beretania Street Honolulu, Hawai‘i USA
・電話番号:808.532.8700
・営業時間:水・木・日曜日10:00~18:00 / 金・土曜日10:00~21:00
・休館日:月・火曜日、元旦、独立記念日(7月4日)、感謝祭(11月第4木曜日)、クリスマス(12月25日)
・チケット代:19歳以上$20 / 毎月第1水曜日と第3日曜日は無料開放 / ホノルル美術館と提携しているホテルはリゾートフィーの利用可能
・公式サイト:https://honolulumuseum.org/
※2024年6月現在の情報です。訪問前には公式サイトを確認してください。
ホノルル美術館の歴史
ホノルル美術館は、アナ・ライス・クックによって設立され、1927年4月8日に開館しました。
芸術に造詣の深い宣教師の家に生まれ育ったアナは、幼いころから美術に対して強い興味を持っていました。
彼女は成人して、実業家の裕福な親を持つ銀行家のチャールズ・クック氏と結婚。夫の事業がうまく行くと同時に、夫婦共通の興味であった芸術作品の収集を始めました。
陶磁器から始まったクック家の美術品コレクションは、どんどん幅が広がります。子どもたちが独立するころには、夫妻の家のみならず子どもたちの家まで占領するほどにコレクション数が膨れ上がるほどになっていました。
そしてアナは「ハワイの子どもたちにこれらの芸術品を紹介したい」という昔からの夢をかなえるため、夫妻の土地と建物、自分たちが持つコレクション、そして120万ドルを設立する美術館に寄付することに決めました。
家は取り壊され、ニューヨークの著名な建築家であるバートラム・グッドヒュー氏による設計で、美しく機能的な美術館を建てたのです。
美術館がオープンすると、続々と優れた芸術作品が寄贈されました。所蔵品の数が増えたことから規模を拡大し、図書館、教育棟、カフェ、近代美術ギャラリー、事務局、劇場など次々と増築します。
現在ホノルル美術館は、その質の高さと芸術品の種類の豊富さで国際的に高い評価を受けています。
ホノルル美術館の主なコレクション
ホノルル美術館には、以下の地域の美術・工芸品が集められています。
- ハワイ美術
- 欧米美術
- アフリカ美術
- エジプト美術
- 日本美術
- 中国美術
- アジア美術
- イスラム美術
それぞれの国・地域の、絵画、絵巻物、古書、彫刻、陶器、調度品、仏像、陶磁器、装飾品、テキスタイル、肖像画、レリーフ作品、織物などが展示されています。
その中でも特に目を見張る、アジア・西洋・ハワイのセクションを見ていきましょう。
アジア美術
アジア全域での美術品や調度品、古書、織物、衣装など、2万点以上のコレクションがあります。
その中から、日本、中国の大規模なコレクションについて紹介します。
【日本美術】
アナ・クック夫人は特に日本の美術に興味を示していたそうで、ホノルル美術館にある最も重要なコレクションの一部はアナが生涯を通して収集したものです。
その中には桃山時代に狩野元秀によって扇に描かれた「洛中洛外図」や、室町時代の「菅原道真像」があります。絵画のみならず漆器(特に沖縄漆器)、彫刻、茶道具、仏教及び神道の彫刻なども豊富です。
浮世絵に至っては10000点にも及び、米国内で最も優れたコレクションとされています。
【中国美術】
明、清時代の皇帝画など文人画が主流ですが、陶磁、木製調度品、儀式用銅器、漆、仏像、翡翠などの装飾品も数多く収集されています。
主な所蔵品には、沈周の「舟浮秋江図」や文徴明の傑作と言われる絵巻「七杜松」などがあります。
西洋美術
ホノルル美術館が所蔵する西洋美術のコレクションは、約15,000点です。紀元前の古代作品から現代のアメリカ、ヨーロッパの近代美術作品までが網羅されています。
【ヨーロッパ美術】
ホノルル美術館の有名な19世紀から20世紀のヨーロッパ絵画及び彫刻は、特に素晴らしいと言われています。ドラクロワ、ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ、モネなど、美術のことをあまり知らない人でも見聞きしたことがあるような巨匠の作品が所蔵品です。
【アメリカ美術】
アメリカ美術は、植民地時代から現在に至るまでの絵画、調度、装飾品などです。有名作家によるサイドチェアやサイドテーブル、コネティカットチェストなどが展示されています。
ティファニーなどによるガラス製品や銀製品、陶磁器などは、19世紀後期のアメリカンアートコレクションとして人気を集めています。
【近代美術】
近代美術の版画とドローイングのコレクションは10000点以上。20世紀コレクションの基盤となる作家には、ジョージア・オーキフやアーサー・ダヴなどがあります。
ハワイ美術
ハワイ美術は、絵画と紙を使った作品が中心です。
キャプテン・クックがハワイにやってきた1778年から現代までを網羅しており、ハワイの歴史や自然を作品から学べるようになっています。
ハワイ王朝時代の王や女王の肖像画や、美しい羽でできたケープやキルトといったテキスタイルの所蔵品も豊富です。
見どころのひとつはセオドア・ウォレスによる「レイ・メーカー」という絵画。少女がレイを作る様を描いた絵画で、大変有名な作品です。
こだわりの5つの庭園も必見
ホノルル美術館の見どころは美術品だけではありません。
敷地内にはハワイを構成するいくつかの国々をテーマにした、コンセプトが異なる庭園が5つ作られています。
- パームコートヤード(インド・アジア式庭園:東南アジアギャラリー横)
- チャイニーズコートヤード(中国式庭園:中国・日本・韓国などのアジアコレクションを囲む)
- キナウコートヤード(ハワイの庭園)
- セントラルコートヤード(美術館入ってすぐの正面:催し物の開催場所)
- メディテラニアンコートヤード(地中海庭園:西洋ギャラリーの近く)
ぜひ観賞の合間にそれぞれの庭でゆっくりと休憩し、世界旅行の気分を味わってくださいね。
ホノルル美術館で贅沢なアート観賞タイムを!
ハワイで世界中の美術品がじっくり堪能できる場所が、ホノルル美術館です。
人類の宝とも言うべき素晴らしい作品が、ゆったりした雰囲気の中で楽しめます。芸術に触れて日々の疲れを忘れ、インスピレーションを刺激してくださいね。
なお、大きな荷物や飲食物は持ち込めないうえに、美術館には預かり所がありません。写真や動画撮影なども、館内のマナーを守って行うようにしましょう。
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