- ハワイを代表する伝統工芸品について
- ハワイの伝統工芸品の歴史と文化について
- ハワイの伝統工芸品を購入できる店舗の紹介
ハワイには古代ハワイアンから受け継がれてきた工芸品がたくさんあります。
いずれも時間と手間をかけられた、マナが宿ったもので、生活になくてはならないものでした。
ハワイの人々が手作りする工芸品には観光客が気軽にレッスンを受けられるものも多々あるため、機会があればぜひ工芸品作りに挑戦してみましょう。
ここでは、その中でも代表的な5つの伝統工芸について解説します。
最後には上質なハワイアンアイテムが購入できるお店の紹介もありますので、本物を手に入れたい方は参考にしてくださいね。
目次
ハワイの伝統工芸5選
ハワイの伝統工芸で代表的なものは、次の5つがあります。
- イプ
- カパ
- ラウハラ細工
- ハワイアンジュエリー
- ハワイアンキルト
イプ
イプはヒョウタンの一種で、古代ハワイアンがポリネシアから持参した伝統植物のひとつです。
ハワイでは古代より、釣り糸、糸の貯蔵容器、染料の保存容器、水差し、食器などとしても使われてきました。
また、イプの種子の周りにある果肉は下剤、花は解毒剤、樹皮は利尿剤、果実は結石や解毒・吐き気の予防剤に用いたそうです。
現在でもハワイでは、イプから抽出したものを抗生物質として利用しています。
さらに、イプはフラの楽器としてとても重要な存在です。
イプを2つつなぎ合わせたものを打楽器にして、儀式などで使ってきました。
- イプ・ヘケ・オレ=イプがひとつ欠けた、単体のヒョウタン楽器。
- イプ・ヘケ=イプ2つをつなげた大きなヒョウタン楽器。完全な形とされる。
イプに穴を開けた、オカリナのようなイプ・ホーキオキオと呼ばれる楽器もあります。
カパ
カパも古代ハワイアンがポリネシアから持参した伝統工芸です。
木の皮を削ぎ、たたき、模様をつけて、布のように使用します。日本でいうところの和紙に近い感覚ですね。
フラでは、女性がカパで作った巻きスカートをつけて踊ります。
カパは主にワウケ(桑の木の一種)と呼ばれる木の内側の皮から作られています。
イースター島では男性が作っていたという説がありますが、ポリネシア人は主に女性が作り、その方法を娘へ伝えていました。
材料となる木を植え、育ったその木を加工して作品を作り上げるまでの工程には、かなり長い時間と手間がかかります。
しかしハワイでは観光客用に1時間程度のレッスンが実施されているため、気軽に伝統工芸の制作体験をしてみてください。
カパの作り方
では、具体的なカパの作り方をみていきましょう。
前段階ではワウケを畑に飢え、高さが2〜3m、茎の直径が3㎝ほどまで育て、その茎を使います。
まずは表皮をのこぎりのような貝殻で剥き、皮の外側の表皮を内側に巻いて広げ、数日間おいて平にします。
その後外側の表皮を大きめの貝殻で削ぎ、もう一度巻いて1週間ほど海水につけて柔らかくします。
ここからは第一段階です。
海からあげて樹脂が取り除けたことを確認したら、棒のような木槌で叩いて長く薄い皮(モオモオ)にします。
その後、モオモオを太陽の下にさらして漂白し、また水に漬けるなどの工程を経て柔らかくしていきます。この際、多少発酵状態にさせたそうです。
そして第二段階では、金床の上におき、四角い木槌で叩きます。木槌には模様が入っており、濡れている皮に何回も叩き込むことでその模様が刻まれるようになっています。
作り手が自分の作品であるとわかるようにするため、特徴のあるデザインを自分で掘って木槌を作ったそうです。
ラウハラ細工
ラウハラ細工は、ハラと呼ばれる細長い木(タコノキ)の葉を乾燥させ、一定の幅で割いて編み込んだものを指します。
古代ハワイアンの生活を支えていた優れた工芸品で、ハワイの王族もラウハラで作られた寝具を使用していました。カヌーの帆としても利用されていたそうですよ。
下準備には手間と時間が必要な、ハワイで有名な芸術品です。
作品としては、マットや小物ケース、アクセサリー、バッグ、帽子、うちわなどがあります。
ハワイでは、ラウハラ細工を作る際には幹から葉を取るのではなく、枯れ落ちた葉だけを拾い集めます。
まずは集めた葉の両脇についたトゲを切り落とし、クカアと呼ばれるロール状にします。
クカアを柔らかくするために何度もなめし、専用の道具を使って必要な幅へと裁断、隙間なく編み込んで形を作り上げていきます。
ハワイアンジュエリー
ハワイアンジュエリーとは、伝統的な模様が彫り込まれた装飾品のこと。
正式には「ハワイアン・へアルーム・ジュエリー」と呼ばれています。親から子、子から孫へと受け継ぐ、家宝のようなものを意味しています。
ルーツは諸説あり、有名な説はハワイ王朝最後の女王であるリリウオカラニ女王が、イギリスのモーニング・ジュエリーを真似て作らせたのが始まりというものです。
女王はハワイの女学校校長で恩師の外国人女性にも文字を彫り込んだブレスレットを贈り、それを見た女生徒たちの間で話題になって、ハワイで広まったとされています。
家族で贈り合うだけでなく、恋人や友人など大切な人に贈るジュエリーになりました。
ハワイアンキルト
ハワイの工芸品と言えば「ハワイアンキルト」と答える方も多いほど、世界中で知られている工芸品です。
ハワイアンキルトは、ハワイ王国時代にアメリカからきた宣教師の妻たちによって伝わった、パッチワークがハワイ式になったものを指します。
ハワイならではの独自のデザインで発展しました。
デザインの主流は自然の植物をモチーフにしたもので、特徴は、エコー・キルティングの縫い目による「波」にモチーフが浮かんでいるように見えることです。
リリウオカラニ女王も自分でキルトを縫っており、現在はイオラニ宮殿の2階にある「幽閉の間」で展示中です。
ハワイの伝統工芸品を購入できるお店
お土産にもピッタリな、ハワイの伝統工芸品を購入できる2つのお店を紹介します。
どちらも日本語が通じますので、気軽にお買い物を楽しめますよ。
- プルメリア・ハワイアン・キルト・アウトレット
- キムラ・ラウハラ・ショップ
プルメリア・ハワイアン・キルト・アウトレット
丁寧な手縫いで仕上げられたハワイアンキルトが、手頃なお値段で手に入るお店です。
本物のハンドメイドにもかかわらず価格が安いため、地元のハワイアンからも絶大な支持を受けています。
- 店舗名:Plumeria Hawaiian Quilt Outlet
- 住所:334 Seaside Ave.Honolulu
キムラ・ラウハラ・ショップ
ハワイ島のコナに、日系人のキムラさんが営むラウハラ細工のお店があります。
すべて手作りの工芸品で、マットや帽子、バッグ、アクセサリーなどさまざまなものが販売されていますよ。オーダーも可能です。
- 店舗名:Kimura Lauhala Shop
- 住所:77-996 Hualalai Rd, Holualoa, HI 96725
ハワイの工芸品に触れて歴史やマナを感じよう
伝統工芸品はどの国にもありますが、地元の人々の生活を長い間支えてきたなくてはならないもので、時間と手間をかけて作られます。
ハワイにもさまざまな伝統工芸品がありますので、ぜひお気に入りを探してみてください。
キルトや細工作品の小さなものであればお土産にもピッタリなうえに、しっかりハワイを感じられますよ。
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