【ハワイアンジュエリーの歴史】紋様と一緒に刻みたい素敵なハワイ語も紹介

2024.3.28
【ハワイアンジュエリーの歴史】紋様と一緒に刻みたい素敵なハワイ語も紹介

ハワイアンジュエリーは大切な人に気持ちを伝えるアイテム、そして自分のお守りとして、世界中で人気があります。

婚約指輪や結婚指輪としてだけでなく、代々家で受け継いでいくファミリージュエリーとしてもよく知られているハワイアンジュエリーですが、長い歴史があることはご存じでしょうか。

この記事では、ハワイアンジュエリーの歴史に焦点を当てて解説します。

また、ハワイアンジュエリーによく使われる言葉や文章、ことわざなどについても紹介しますので、これからハワイアンジュエリーを手に入れようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

ハワイアンジュエリーの歴史:イギリス王室が絡む説が有力

ハワイアンジュエリーの歴史:イギリス王室が絡む説が有力

一般的にハワイアンジュエリーの原型とされているのは、19世紀のイギリスが関係している説です。

当時イギリスの統治者であるヴィクトリア女王からハワイ王国のリリウオカラニ女王へ、ヴィクトリア女王即位50年祭に出席した贈り物として贈られたブレスレットが元になったと言われています。

当時のイギリスでは、家族や友人への想いを言葉にした「センティメンタル・ジュエリー」と呼ばれるゴールドのジュエリーが大流行していました。

ヴィクトリア女王も同様に、国賓や友人などにセンティメンタル・ジュエリーを贈ることを習慣としていたそうです。

ヴィクトリア女王は最愛の夫・アルバート王子が亡くなったあと、華美な貴金属や装飾品の着用を禁じて死後25年間喪に服しました。

しかしその際、喪服用の黒いジュエリーだけは着用を許し、特別に作らせて身につけてました。

それは黒いエナメルジュエリーで「スクロール模様」をあしらったものです。スクロールはイギリスの伝統的な喪中用の意匠でもあります。

これを見たリリウオカラニ女王は自らも哀悼の意を込め、自分でも同じようなブレスレットを作らせました。

ハワイアンジュエリーの原型は、このブレスレットとされています。

なお、イギリスの伝統的なスクロール模様はハワイに渡り、波の模様へと変化を遂げたという説もありますが、ハワイアンは古代より自然を崇拝し大切にしていたので、波型はすでにハワイに存在していたとも言われています。

 

リリウオカラニ女王のブレスレット

特に親密な関係にあった英国のヴィクトリア女王に寄り添うため、自分もアルバート王子の死を悼み、ヴィクトリアンスタイルのジュエリーを作らせたリリウオカラニ女王。

それはゴールドのブレスレットにハワイ語で「ホオマナオ・マウ Ho’omanao mau (永遠の思い出)」と黒く文字を刻んだもので、女王はこのブレスレットを一生身につけていたとされています。

ブレスレットは女王の死後もイオラニ宮殿で公開され、ブレスレットにインスパイアされた作品が、現在もたくさん制作されています。

また、リリウオカラニ女王は、自身が校長をしているホノルルのボフカイナ女学校でさまざまなことに尽力したイギリス人の女性恩師にもブレスレットを贈っています。

ブレスレットには黒のエナメルで「アロハ’オエ(あなたに愛を)」と書かれており、当時の女学生たちがこれを真似して大切な人に贈り合ったことから、言葉や模様を刻んだジュエリーを贈る習慣が生まれたとされています。

 

ヨーロッパにハワイアンジュエリーを広げたカイウラニ女王

ヨーロッパにハワイの文化やジュエリーを広げた功績は、リリウオカラニ女王の姪にあたるカイウラニ女王にあります。

カイウラニ女王はスコットランド人とリケリケ女王(カラカウア王の妹)との間に生まれた容姿端麗な王族で、カラカウア王の指示でイギリスに留学していました。

彼女はヨーロッパの社交界の華となり、ハワイとヨーロッパの文化的な交流を結びつけたのです。

彼女がつけていたハワイアンジュエリーも注目を集め、ヨーロッパの社交界で人気となりました。

 

ハワイの自然崇拝の気持ちがジュエリーに刻む文様になった

ハワイの自然崇拝の気持ちがジュエリーに刻む文様になった

前述したように、現在のハワイアンジュエリーの原型という意味ではイギリス王室との交流から生まれたという認識が一般的です。

しかし、ハワイはもともとポリネシア人が移住してできた国で、古代ポリネシア人はすでに自然(波や植物など)を文様にしていました。

そのため、リリウオカラニ女王がイギリスにいってセンティメンタル・ジュエリーに出会う前からも、ハワイの人々は自然を模様にしたり小さくしてブレスレットやネックレスとして身につけていたと考えられます。

ハワイの人々が大自然に畏敬の念を抱き、感謝とともに共存していたことで、ジュエリーに文様が刻まれるようになったのでしょう。

▼ハワイの紋様、モチーフについては以下の記事で詳しく解説しています。

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現代は多種多様なデザインになった

1980年代ごろまで、ハワイアンジュエリーに彫刻される模様はプルメリアやマイレ、ティーリーフなどのハワイらしい植物でした。

しかし現在では、竹や羽、ヤシの木、いるか、ウミガメ、フラガールなど多種多様なデザインのものが作られています。

 

ハワイアンジュエリーに刻む人気の言葉・文章

ハワイアンジュエリーに刻む人気の言葉・文章

ハワイアンジュエリーには相手のことを思うさまざまな言葉が刻印されています。たとえば「ALOHA(アロハ)」は定番の言葉ですね。

アロハという言葉はそれ自体も「ようこそ」や「ありがとう」、「愛」といった意味を持ちますが、それぞれのアルファベットにも意味が隠されています。

  • A: akahai アカハイ(思いやり、優しさ)
  • L :lōkahi  ロカヒ(調和、協調性)
  • O:ʻoluʻolu  オルオル(心地よさ、思いやり)
  • H:haʻahaʻa ハア ハア(謙虚さ)
  • A:ahonui アホヌイ(忍耐強さ)

 

心と心の調和や、神の贈り物である人間の尊厳を示す言葉でもあるため、ハワイアンジュエリーによく用いられています。

 

人気の美しいハワイ語

その他、以下のような美しい意味を持つ言葉を刻むのも人気です。

  • Milimili(ミリミリ):愛おしい
  • E `ola mau(エ オラ マウ):永遠の命
  • Minoʻaka(ミノアカ):笑顔
  • Auli’i(アウリイ):優美
  • Hoapili(ホアピリ):親友
  • Kahiwa(カヒワ):大切な人
  • Ku’ulei(クウレイ):最愛の人
  • Pilialoha(ピリアロハ):愛しあう夫婦、大切な仲間
  • Laule’a(ラウレア):平和・幸福
  • Malulani(マルララニ):神の加護
  • Poina `ole(ポイナ オレ):忘れない
  • Walea(ワレア):やすらぎ
  • Ao(アオ):光、夜明け、世界、地球

 

▼ハワイ語の美く素敵な言葉については以下の記事で詳しく解説しています。

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人気のハワイ語のフレーズ・文章

ブレスレットなど大きなアクセサリーには、言葉のみならずフレーズや文章を入れることもあります。

  • Aloha wau ia `oe(アロハ ワウ イアー オエ):あなたを愛しています
  • Aloha nui loa(アロハ ヌイ ロア):たくさんの愛を込めて
  • Nou ku`u pu`uwai(ノウ クー プー ウワイ):私の心はあなたのもの
  • Ho’omanao mau(ホオマナオ・マウ):永遠の記憶

 

ハワイアンジュエリーの歴史をおさらいしよう

大自然の文様を描き、大切な人や自分へのメッセージを刻み込むハワイアンジュエリー。言葉や模様を刻み込む原型とされるのはイギリス王室が絡む19世紀のことです。

ぜひ歴史に思いを馳せ、素敵なハワイアンジュエリーを手に入れてくださいね。


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