- ウクレレがハワイに伝わったきっかけについて
- ウクレレの歴史と世に広まった理由について
- ウクレレで有名なメーカーブランドの紹介
ハワイの音楽と聞けば、多くの方がすぐに連想する楽器が「ウクレレ」です。
実は、ウクレレはハワイが原産ではなく、もともと移民としてきたポルトガル人が持ち込んだ小型楽器が原型であるとご存じでしょうか。
この記事では、ウクレレがハワイにどのように入ってきたのかの歴史や、諸説ある名前の由来、ウクレレがハワイで愛され広がっていった理由などについて解説します。
現在のハワイで有名なウクレレメーカーについても紹介しますので、ウクレレを手に入れたいと考える方は、参考にしてください。
目次
ウクレレの原型はポルトガル移民の持ち込んだ小型楽器
ウクレレは、ポルトガルのマデイラ諸島からの移民が持ち込んだ、マシェーテ(または、カヴァキーニョ、ブラガ、ブラギーニョという説もある)が原型だと言われています。
1879年の8月23日にハワイにたどり着いたマデイラ船の中には、楽器の演奏ができたポルトガル青年ジョアン・フェルナンデス、そしてポルトガルの家具職人であるマニュエル・ヌネス、オーガスト・ディアス、ホセ・ド・エスピリト・サントの3名が含まれていました。
もともとポルトガル人は音楽好きな人が多い国民性です。
そのポルトガル移民が、ハワイに来て辿り着いたホノルルの街で、小型楽器を弾きながら陽気な音楽を歌い演奏する姿が見られるようになりました。
見たこともない小型の楽器を弾きながら歌うその姿に、ハワイの人々がひきつけられたそうです。
3人の家具職人たちは、ハワイの人々が神殿やカヌーなどを作っていたコア(koa)の木で、似たような小型ギターを作りだしました。
それがウクレレと呼ばれるようになり、現代に伝わっています。
この移民船が到着した日を記念して、毎年8月23日は「ウクレレの日」として定められました。
ウクレレの特徴と種類
ウクレレの弦は4弦で、一般的にはナイロン弦を使用しています。
のどかで優しい音色を持ち、その音は自然音に共通するだけでなく、音量も人のささやき声や会話の声の大きさとほぼ同じです。
耳に優しい楽器として有名ですね。
ウクレレにはさまざまな大きさがあり、両手に収まる小さなものから順に「ベビー」「ソプラノ」「コンサート」「テナー」、そしてテナーギターとほぼ同じサイズの「バリトン」が存在します。
腕に抱きかかえるようにして奏でるウクレレは、ほとんどがソプラノです。
しかし近年では、1サイズ大きいコンサートが使用されることも増えてきています。
ウクレレの名前の由来
ウクレレは当初、原型とされているマシェーテと呼ばれ、その後はハワイ語で「小さな弦楽器」という意味のPila Liiliiと呼ばれていました。
そこからウクレレと呼ばれるようになるまでに10年ほどかかったのですが、そこには以下3つの説があります。
- 1. 王の側近の愛称
- 2. 楽器を弾く指の動き
- 3. ハワイ語の別の意味
①:王の側近の愛称
カラカウア王の側近であった、元イギリス軍人のエドワード・パーヴィスの愛称がウクレレだったから、という説です。
パーヴィスはカラカウア王の側近で、音楽を愛した王と名高いカラカウア王にウクレレの演奏方法を伝授した人物でもあります。
小柄なパーヴィスは機敏に動く人だったため、周囲の人が親しみを込めてUKU(蚤)、LELE(跳ぶ)つまり「ウクレレ=飛び跳ねる蚤」という愛称をつけており、彼が弾く楽器もそう呼ばれるようになりました。
②:楽器を弾く指の動き
最初に楽器を弾きながら歌った、フェルナンデスの指の動きからの連想という説です。
移民船から降りてきたジョアン・フェルナンデス青年が楽器を弾く際に、蚤を連想させるような素早い指の動きであったことから、ウクレレと呼ばれるようになりました。
③:ハワイ語の別の意味
UKUとLELEというハワイ語には、蚤や跳ぶ以外にも意味があります。
カラカウア王の妹でハワイ王朝最後の女王、同じく音楽を愛したリリウオカラニ女王は、やはりウクレレを愛で、自らも奏でていました。
女王はUKUの別の意味である「贈り物」、LELEの別の意味である「やってくる」を合わせ、ポルトガルから到来した贈り物である、という解釈をしていたそうです。
参考:UKULELE PICNIC in HAWAII「ウクレレの歴史」
ウクレレを愛し広げた王族
ウクレレを愛し、演奏もしてハワイ中に広まる原因となった王族は、前述した通り2人います。
- 1. カラカウア王
- 2. リリウオカラニ女王
カラカウア王
カラカウア王は音楽家としても有名です。彼の時代にハワイで生まれたウクレレは、持ち運び可能な楽器として当時ハワイで広まりつつあったギターに比べ、さらに小型である点が魅力的でした。
貴重なコアの木から作られたウクレレは高価な楽器でしたが、多くの人が買い求めたと言われています。
カラカウア王はコア製のウクレレを大層気に入ったそうで、ウクレレの演奏家や職人たちのパトロンとなり、演奏会を催したり自分で演奏したりもしていました。
1883年の戴冠式では、それまで禁止されていたフラを復活させたことが有名ですが、このときにフラの伴奏楽器として使われたのがウクレレです。
▼以下の記事でフラダンスについて解説しています。
リリウオカラニ女王
妹のリリウオカラニ女王もウクレレを大変気に入っており、若いころのパーティーで友達と一緒にウクレレを弾いて歌ったというエピソードが残っています。
また、彼女がイギリスに留学した際にはウクレレを持参していたそうで、そのウクレレはのちに発見されています。
ハワイのウクレレ有名ブランド
ハワイには、4Kと呼ばれる有名なウクレレブランドが4つあります。
ハワイを訪問した際にウクレレを購入したいと考える方は、以下4つのブランドから選べば間違いありません。
カマカ
カマカはハワイ最古のウクレレメーカーで、1916年オープンのお店が最初です。
初代オーナーでウクレレ職人のサミュエル・カイアリイリイ・カマカが作ったウクレレを見た彼の友達が、パイナップルのようだと言ったことがきっかけで、ウクレレにパイナップルを描いたそうです。
カニレア
オアフ島カイルアで生まれたジョー・スーザが作ったウクレレショップが、1998年創業の「カニレア」です。
2006年にはカネオヘのショップに移転しています。
コアロハ
公式サイト:https://www.koaloha.com/
コアロハは、日系のオカミさんが1995年にミニチュアのウクレレを作ったことが始まりです。
ミニチュアサイズのウクレレが大変好評で注目され、やがて普通サイズのウクレレも作るようになったそうです。ショップはアラモアナセンターのすぐ近くにあります。
コオラウ
コオラフは1996年にオアフ島で始まったウクレレメーカーです。
弦楽器の作成だけでなく、修理にも特化しています。
クオリティーにこだわっているためたくさんのアーティストに愛されているメーカーです。
ハワイの楽器ウクレレについて知ろう!
ハワイの人々に愛され、日本でも人気がある弦楽器のウクレレ。もともとはヨーロッパの楽器がもとになっており、1800年代後半にハワイで広がりだしました。
現代フラには、なくてはならないものになっています。
ハワイには多くのウクレレ店があるため、少しでも興味を持たれた方はぜひのぞいてみてください。初心者から上級者用まで、豊富なウクレレに出会えますよ。
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