- 英語とは少し異なるピジンイングリッシュとは
- ピジンイングリッシュのルーツやその言語について
- ピジンイングリッシュでも使われる日本語とは
ハワイにはハワイ語と英語だけでなく、ピジンイングリッシュ(ピジン英語もしくはハワイ・クレオール英語)と呼ばれるものがあります。
ハワイのピジンイングリッシュは、さまざまな国の文化や言語が英語に影響を与えた結果できた方言で、日本語由来の言葉もあるのです。
そこで今回は、ピジンイングリッシュが誕生した背景や言語の例などを解説します。
目次
ピジンイングリッシュは多文化社会を持つハワイ独特の言語
ピジンイングリッシュとは、簡単に言うと英語のハワイ方言のことです。
英語を母国語とする国は世界にたくさんありますが、それぞれの国によって発音や使う単語、言葉の意味などが多少異なります。
イギリス英語やアメリカ英語、オーストラリア英語などが少しずつ異なることは、留学経験者や海外旅行が好きな方にはよく知られていることですよね。
それと同じく、ハワイにはハワイ特有の英語である「ピジンイングリッシュ」があります。
元々「ピジン」は、中国沿岸地域などで交易のために必要だった英語に、現地の言葉が混在したものを表す言葉でした。
しかし、ハワイでは移民の人々が使った「英語のような言葉」のことを意味し、ハワイプランテーションピジンとも呼ばれています。
そして、ハワイは島々が集まった国であるため、島やプランテーションごとに異なるピジンイングリッシュがあったと言われています。
現在も、同じ出身国でのコミュニティ内でしか使われないそれぞれのピジンイングリッシュ表現や単語があるそうですよ。
ピジンイングリッシュとハワイの歴史
古代ハワイに西洋人が持ち込んだ英語が広がりつつある中、同じく西洋から持ち込まれた病原菌が原因で、ハワイアンの数が大きく減少してしまいました。
そこで始まったのが移民の勧誘です。
労働力として世界各地から移民たちを集めた19世紀には、彼らの母国語と英語、そしてハワイ語が混ざったピジンイングリッシュが誕生し、独自の発展を遂げました。
ピジンイングリッシュは英語の正しい文法などを気にせず、簡単に単語をつなげることで意思疎通を図れるものでした。
移民同士が一緒に仕事をする際の共通言語として生まれ、使われてきたのです。
ピジンイングリッシュには、ハワイ語、日本語、中国語、韓国語、フィリピン語、ポルトガル語などの単語がそのまま組み込まれているため、世界で使われている方言英語の中でも特に独特の英語となっています。
ハワイのピジンイングリッシュは日本人に馴染みやすい?
通常の英語に比べ、ピジンイングリッシュは発音を明確にする傾向があり、音をひとつずつ発音する日本語に近いと言えます。
また、もともとハワイ語には「r」の発音がなかったため、「r」ではなく「ar」の発音に近い言い方をします。
たとえば「water」は、本来の発音では舌を巻くため「ウォーラー」に近い音になりますが、ハワイでは「watah」と舌を巻かずに発音します。
つまり、カタカナで書く「ウォーター」に近い音になるのですね。
日本人にとっては聞き取りやすく発音がしやすいことから、ピジンイングリッシュは日本人に馴染みやすいと言われています。
通常の英語と表現の仕方が異なるピジンイングリッシュの例
では、通常の英語表現とは異なる表現を使うピジンイングリッシュの例をみていきましょう。
- 鳥肌英語ではgoose bumps(グースバンプス) / ピジンイングリッシュではchicken skin(チキンスキン)
- 喋る、雑談する:英語ではchat(チャット) / ピジンイングリッシュではtalk story(トークストーリー)
- たくさん:英語ではa lot(ア ロット) / ピジンイングリッシュではchoke(チョーク)
- すべて:英語ではeverything(エブリシング) / ピジンイングリッシュではeriding(エリディング)
- 地元民:英語ではLocal(ローカル) / ピジンイングリッシュではLoco(ロコ)
「鳥肌」などは、英語を勉強し始めたばかりの人が考えるように、意味通りの単語をそのままつなげた形です。
また、英語を聞きなれていない移民たちが耳で聞き取った音をそのまま発音したため、エブリシングがエリディングという「英語とは少し違う単語」になったと考えられます。
ハワイでよく聞くピジンイングリッシュの例
以下は、ハワイにいるとよく耳にする言葉の例です。
- Da kine(ダ・カイン)=That kind of thing:ほら、あれ
- Howzit(ハウジット)=How is it?:元気?調子はどう?
- Make house(メイク・ハウス)=Make yourself at home.:くつろいでね
- broke da mouth(ブローク・ダ・マウト)=broke the mouth:とても美味しい
メイクハウスと聞くと「家を作ってとは?」と考え混乱してしまう方も多くいますが、ピジンイングリッシュでは自宅のようにくつろいでねという意味になり、留学生がホストファミリーに言われる頻出言葉ですね。
「Da kine」はハワイのメーカーの名前にもなっており、街中のお店の看板やTシャツの印字などでよく見かけます。
ハワイ語や日本語由来のピジンイングリッシュ
ハワイ語のみで会話をするハワイアンはすでに少数になってしまいましたが、多くのハワイアンは英語にハワイ語を混ぜて日常的に話しています。
また、ハワイ各島には日系移民が多かったため、日本語がそのまま組み込まれている例もあります。以下に例を挙げました。
・pau(パウ)=終わる
例:When are you pau?(いつ終わるの?)
・hana(ハナ)=仕事
例:Pau hana Friday(金曜日の仕事終わり)
・lanai(ラナイ)=ベランダ
例:that house has lanai.(ベランダ付きの家)
・Bango(バンゴ / 番号)=数字
例:Your bango is 3.(あなたの数字は3です)
・bocha(ボチャ)=入浴
例:Go bocha!(お風呂に入りなさい!)
その他に…
Bachi(罰)
Bento(弁当)
Shoyu(醤油)
Okazu(おかず)など
ただし、それぞれの言語はネイティブハワイアン同士や日系ハワイアン同士で使われることが多いもののため、中華系やポルトガル系ハワイアンなど、他のコミュニティでは通じないといったこともあります。
ピジンイングリッシュは英語のハワイ方言
ピジンイングリッシュはハワイで使われる英語、いわゆる方言です。
単語ひとつひとつの発音を比較的明瞭にするため、日本人が英語を話す際の発音に似ていること、また、日系移民によってもたらされた日本語がそのまま組み込まれていることもあり、日本人にとっては馴染みやすい英語と言えます。
ハワイを訪問した際には、日系ハワイアンたちの言葉に耳を傾けてみてください。「日本語話してる?」と思うほどに日本語と英語が組み合わさっていて、聞いているだけできっと楽しくなりますよ。