1800年代以降からさまざまな国から移民にきた人々とハワイアン独自の文化が混ざり合う、多民族で多様な文化が入り混じる稀有なハワイ。
民族ごとに分断するのではなく、それぞれに共生し歩み寄り、ひとつにまとめハワイという独特の文化を作り上げています。
この記事では、ハワイの文化について、伝統的なものや移民の影響を受けたもの、ハワイでのマナー、そして神聖な植物とされるタロイモとの関係について紹介します。
目次
ハワイの伝統文化や風習とは
ハワイの伝統文化はさまざまなものがありますが、以下の6つはその中でも代表的なものです。順番に紹介しましょう。
- フラ
- ルアウ
- レイ
- オハナの精神
- アロハの精神
- 敬老
フラ
フラとはハワイ独自の、詠唱や歌に合わせて踊るダンスのことです。
西洋人が「発見」するまで文字が存在しなかったハワイでは、ハワイの歴史や神話、伝統などを体の動きで表現し、語り継いできました。
西洋の音楽に影響を受けた曲に合わせて踊る、日本人にもなじみ深いフラは「フラ・アウアナ(現代フラ)」と呼ばれます。
そして、ドラマチックな詠唱と打楽器の演奏に合わせ、伝統的な衣装を身にまとって踊るのが「フラ・カヒコ(古典フラ)」です。
古代ハワイの詠唱はメロディがなく淡々と語るように行うため難しく、多くの練習を必要とします。
ルアウ
ルアウとは、ハワイの伝統的な宴会のことです。
テーブルにはハワイのご馳走がたくさん並び、フラやハワイアンミュージックの演奏なども楽しめる観光客用のルアウもあるため、参加する機会があればぜひ体験してみましょう。
ベビー・ルアウは子供の1歳の誕生日を祝って健やかな成長を願い開催される宴会です。昔のハワイでは子どもが1歳を迎えることが難しかったため、盛大にお祝いする風習があります。中には100人単位でお客さんを呼ぶケースも多いそうです。
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レイ
レイとはハワイの伝統的な装飾品で、頭や首、肩などにかけるものです。冠婚葬祭や宗教的な儀式で使われてきました。
ようこそ、ありがとう、さようなら、などの意味をこめて、相手にレイを贈ります。
レイはハワイの人々の万感の思いを代弁するもので、現在は植物で作られたものが多いのですが、かつては人や動物の骨、貝殻、サメの歯などでもよく作られていました。
ポリネシアでの習慣がハワイへと入り、ハワイアンの中で習慣になって現在へと続いています。
レイを贈られたときに断るのはタブーです。差し出されたときに照れて辞退したりせず、喜んで受け取るようにしましょう。
また、贈ってくれた相手の前で外したり、返したり、他の人にあげるといった行為もNGです。
使い終わったレイは自然に戻すことが良しとされているため、ゴミ箱には捨てないように気を付けましょう。
糸をほどいて土の上に花を返すのですが、土が見つからない場合はお部屋のベッドにそっと置いておけば大丈夫です。
オハナの精神
オハナは家族を意味するハワイ語です。
また、生死を共にするような信頼関係にある血族以外の人もオハナとして含まれます。古代ハワイでは一族で支え合い、共存してきた過去があり、その過程でできた「オハナ」は特別な関係を持つ人々を指します。
オハナの精神とはつまり「助け合いの精神」ということ。家族や学校、職場、地域社会での仲間を大切にする風習は、古代ハワイアンから続く伝統的風習です。
オハナについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
アロハの精神
アロハはハワイ語の挨拶として、日本でも最もよく知られている言葉です。「こんにちは」以外にもさまざまな意味で使います。
アロハは温厚さ、愛情深さ、溢れる思いやりなどが詰まった言葉で、アロハスピリットとして世界中で認識されています。アロハ精神とは助け合い、認め合い、受け入れ合うハワイの美徳のことです。
アロハやその他のハワイ語については以下の記事をどうぞ。
敬老
ハワイでは高齢の方々(クプナ)を敬い、尊重する文化が強く残っています。
家庭内や社会でも、ハワイではまずはクプナを優先し、尊重します。
彼らは知恵の源であり、愛情深くあるため、子供たちはクプナからさまざまなことを学ぶのですね。
移民から広まった代表的な文化
19世紀からさまざまな国より移民を受け入れてきたハワイでは、移民の母国の風習や文化が同じように広まっています。
その代表的なものを2つ紹介しましょう。
- 旧正月
- 初詣やひな祭り・端午の節句
中国系移民からは旧正月の風習を、日系移民からは初詣や子どもの節句などの風習を受け継いでいます。
旧正月は中国系のみならず、ハワイ全体で大きなイベントとして認識されています。
各地でライオンダンスが行われ、チャイナタウンではパレードなど多彩なイベントが行われます。
また、ハワイの正月は大変賑やかです。日系だけでなく神社へ初詣に行きますし、年末が近づくとスーパーには日本の門松のミニチュアが登場します。
ちなみに、ハワイアンが初詣によく行く場所はハワイ出雲大社分院です。
その他にも日本のひな祭りや端午の節句も同様で、ガールズデーとボーイズデーとして浸透しています。
学校でお雛様や兜を作ったり、鯉のぼりを出す家もあります。
ハワイのマナー
ハワイでのマナーで代表的なものを確認しておきましょう。少なくとも以下の9つのマナーを知ったうえで、ハワイを訪れるようにしてくださいね。
- サービスにはチップが必要
- TPOにふさわしい服装をする
- 夜の外出は注意
- 公共の場での飲酒・喫煙はNG
- 観光地や聖域ではむやみにものに触れない
- カプ(kapu)は立ち入り禁止
- 土地や自然に感謝を示す
- スパやサウナは水着着用
- 交通ルールに罰金刑がある
チップ制度やTPOにふさわしい服装をする、夜の外出はリスクが高いため注意するなどは、ハワイでなくとも海外に行くなら注意すべきことです。
多くの国では、公共の場(公園など)での飲酒喫煙は禁止されていますので、注意しましょう。
特にハワイでのマナーとして大切なことは、観光地や聖域ではむやみにものに手を触れないこと、カプと書かれている場所には立ち入らないこと、土地や自然に感謝を示すことです。
また、歩行者の斜め横断や信号無視、スマートフォンを見ながらの道路の横断などはハワイの州法に触れます。罰金で130ドルを科せられるため、交通ルールを守るようにしてくださいね。
ハワイ文化とタロイモの関係とは
タロイモはハワイアンにとって神聖で大事な植物です。
古代から主食として食べていただけでなく、絆で結ばれた家族・仲間を意味するオハナという言葉の語源にもなっています。
カウアイ島にあるハナレイという町には、政府がサポートしている広大なタロイモ畑があります。
日系移民が110年続けてきた稲の水田とタロイモ畑は、アメリカ合衆国の歴史登録財に指定されていますよ。
以下の記事ではタロイモを利用したハワイの伝統料理を解説していますので、ぜひご一読ください。
ハワイアンが大切にしてきた文化への理解を深めよう
国によってさまざまな文化や風習、マナーがあります。
こちらに悪気はなくとも、知識がないことによる行動で相手を不快にさせてしまうことがあるかもしれません。
旅先で素敵な時間を過ごすには、相手を尊重し、国にお邪魔させてもらっているという意識を持つことが大切です。
訪問前には最低限のマナーや文化・風習について知り、敬意を持って接するようにしましょう。
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