ハワイと言えば「ワイキキビーチ」や「ホノルルマラソン」、「フラダンス」など人によって異なりますが、ハワイのマリンスポーツと言えば、サーフィンと答える方が大多数です。
ハワイには、世界有数のサーフィンスポットがいたるところにあります。
しかし実は、ハワイがサーフィンの発祥地であることを知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、サーフィンはどのようにしてハワイが発祥の地になったのか、ハワイでのサーフィンの歴史、そしてオアフ島にあるサーフィンスポットを解説します。
サーフィンの歴史を知ることで、さらに魅力が深まること間違いなしです。
目次
サーフィンはハワイ発祥のマリンスポーツ
サーフィンは、サーフボードと呼ばれる板に乗り、海の上を滑ったり波乗りをしたりするマリンスポーツのこと。
沖から膨れ上がってくる波に乗り、弧を描くターンを決めるといった十数秒の短いライディングですが、一度波とシンクロする体験をしてしまうと、その爽快感や達成感などの虜になってしまうと言われています。
現代はマリンスポーツとしてのポジションを確立し、2020年よりオリンピックの正式競技として内定も果たしました。
ハワイにおけるサーフィンの歴史
サーフィンはハワイが発祥地です。
では、どのようにして今の形になったのか、歴史をみていきましょう。
サーフィンの原型「カヌーの波乗り」はポリネシア地域で行われていた
サーフィンの原型は、ハワイに移住してきた古代ポリネシア人がしていた「カヌーを使っての漁」であると言われています。
ポリネシア人は「アウトリガーカヌー」と呼ばれる一本の木をくりぬいて船にし、バランスを取りやすくするためのウキを両端もしくは片端に着けた、細長い船で漁に出ていました。
およそ西暦400年ごろよりアウトリガーカヌーを使って漁をしていた古代ハワイアンは、漁からの帰りには沖から戻る打ち寄せ波に船を預け、波にのって岸に戻ってきたそうです。これがサーフィンの始まりとなりました。
ハワイの神話や伝説には、サーフィンはさまざまな形で登場しています。
その後、船ではなく波に乗るだけの木製の板(アライヤと呼ばれる)が誕生し、古代ハワイアンは波乗りを「ヘエナル」と呼んでいました。
ヘエナルは、子どもから大人まで男女を問わず楽しめる海の娯楽だったのです。
サーフィンを称える神や神殿も生まれ、王族にも海のアクティビティとして定着しました。
初代ハワイ国王のカメハメハ大王も、サーフィンが得意だったそうですよ。
アメリカの宣教師によって一時存続の危機に陥る
18世紀後半にイギリス人のキャプテン・クックによってハワイ諸島が発見され、それ以後、欧米の文化がハワイに入ってくるようになりました。
19世紀になるとアメリカから宣教師がやってきて、ハワイアンがサーフィンをして楽しむ様子を目撃し、眉をひそめます。
男女が裸で波乗りをしていることについて「風紀上の乱れを促進する」こと「ケガをしたり命を落としたりする危険性が高い」ことを理由にして、彼らはサーフィンを禁止としました。
ここで、ハワイにおけるサーフィン文化が一時的に消滅します。
しかし、ハワイ王国の第7代目国王であるカラカウア王になってから、王はハワイ文化を積極的に取り入れ、フラやハワイ語とともにサーフィンも復活させます。
サーフィンは、ハワイの人々にまた親しまれるようになりました。
20世紀の始めに入ると、ハワイへの旅行者が増えたことをきっかけにして、海の安全を守る観点からワイキキに限定してサーフィンが許されました。
このことがきっかけになって再びサーフィン文化が開花し、ハワイアンのみならず、多くの人がサーフィンを楽しむようになりました。
現在、ハワイではさまざまな場所でサーフィンが楽しまれていますが、特にオアフ島のノースショアには高い波がくる人気のサーフスポットがたくさんあり、冬季には世界大会が行われています。
▼以下の記事ではノースショアについて詳しく解説しています
ハワイの英雄・デューク・カハナモクの功績
サーフィンを世界的に広げるきっかけを作ったのが、現代サーフィンの父と呼ばれるデューク・カハナモクです。
カハナモクは1890年にハワイのオアフ島で生まれ育った生粋のハワイ人。
彼は1912年のオリンピック水泳自由形で、ハワイ出身者として初めて金メダルを獲得しています。
さらに1920年のオリンピックでも100m自由形とリレーで優勝し、1924年のオリンピックでも100m自由形で準優勝を飾っている、ハワイの英雄です。
オリンピックで有名になった後、デューク・カハナモクはオーストラリアとニュージーランドでサーフィン普及のためのデモンストレーションを行い、世界中にサーフィンの存在を知らしめました。
1968年の1月22日、現代サーフィンの父と呼ばれたカハナモクは亡くなりましたが、今もワイキキビーチには彼の功績を称えた「デューク・カハナモク像」が立っており、常にたくさんのレイが捧げられています。
ハワイのオアフ島でおすすめのサーフスポット【初心者向け】
オアフ島で初サーフィンをしたいと考える方に、初心者向けのおすすめサーフィンスポットを2つ紹介します。
- ワイキキビーチ
- ダイヤモンドヘッド・クリフス
ワイキキビーチ
ワイキキビーチはホテルやコンドミニアムからも近く、ビーチでサーフボードの貸し出しやレッスンサービスなどもあるため、気軽にサーフィンにトライできます。
トイレやシャワー、ライフガードも完備されていますよ。
ダイヤモンドヘッド・クリフス
ダイヤモンドヘッドビーチの左側にあるエリアが「ダイヤモンドヘッド・クリフス」です。比較的風が弱く、波も穏やかなため初心者におすすめ。
駐車場とシャワー設備はありますが、トイレはありませんので注意しましょう。
▼ダイヤモンドヘッドに関する詳しい情報以下の記事でご確認いただけます
ハワイのオアフ島でおすすめのサーフスポット【中~上級者向け】
続いて中級者から上級者向けのおすすめサーフィンスポットです。
- エフカイビーチ
- サンセットビーチ
- ラニアケアビーチ
エフカイビーチ
エフカイビーチは世界中のサーファーが腕試しに訪れる有名なビーチです。冬季には6〜9mもの大きな波が打ち寄せるため、オアフ島の3大サーフィン大会のひとつが毎年行われていますよ。
トイレ、シャワー、更衣室、ライフガードの設備が整っています。
サンセットビーチ
サンセットビーチはノースショアを代表するサーフィンスポットのひとつで、美しい夕日が見られることでも有名な場所です。毎年11月から2月には、ワールドカップを含むサーフィンの国際大会が開かれています。
トイレ、シャワー、更衣室、ライフガードの設備が整っています。
ラニアケアビーチ
ラニアケアビーチはウミガメが甲羅干しをすることでも有名なビーチ。地元ではよく知られたサーフィンスポットで、比較的穏やかで軽い波に長い距離乗れることが人気です。
駐車場やトイレ、シャワーなどの設備はありませんので、その点注意しましょう。
サーフィンはハワイ発祥! 現地でサーフィンを堪能しよう
ハワイにおけるサーフィンの歴史やおすすめのサーフィンスポットをいくつか紹介しました。
長い歴史の中で一時完全に姿を消してしまったサーフィンですが、さまざまな契機によって世界中に広まり、多くの人を楽しませています。
まだサーフィンは未経験という方も、ハワイへ行った際にはぜひトライしてみてくださいね。
体験すればきっと、あなたも波乗りの楽しさに目覚めることでしょう。
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