- ニイハウ島が「禁断の島」や「秘密の島」と呼ばれる理由とは
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ハワイの主要8島の、一番西側にあるのがニイハウ島です。
ニイハウ島は個人が所有する島のため一般人の立ち入りが禁止されており、「禁断の島」や「秘密の島」とも呼ばれる場所。
住んでいるのは主にハワイ人で、古代から続くハワイ伝統の生活を今も行っているそうです。
今回は、ニイハウ島の詳細や歴史、観光する唯一の方法などについて解説しましょう。
目次
ニイハウ島とは?
ニイハウ島はハワイ主要8島の最西に位置しており、カウアイ島と同じくハワイ最古の島です。
ハワイ諸島の中で、唯一、個人が所有しています。
カウアイ島から南西に27㎢離れており、晴れた日にはお互いの島が見えるそうで、主要8島の中では2番目に小さく、島の面積は約179㎢です。
降水量が少なく非常に乾燥しており、干ばつの発生も幾度が記録されています。
しかしながら荒廃した島というわけではなく、手つかずの美しい自然が管理されており、住民は現在も古代ハワイアンと同じくほぼ自給自足の生活を送っています。
外部の立ち入りは所有者によって100年ほど禁止されており、いわゆる「鎖国」状態です。ただし、島民は自由に他の島へ買い物や旅行に行けるほか、進学で島を出る際には所有者であるロビンソン一家が学費の援助も行っているそうです。
島には電気・ガス・水道の設備はなく、舗装された道路や自動車、商店、レストラン、病院、警察、消防などもありません。
島にひとつだけある学校にはソーラーパネルが設置されているため、学校では電気を使ったパソコンの授業などもあります。
- 名称:ニイハウ島(Niihau)
- 別称:禁断の島、秘密の島
- 島の花:ププシェル(貝)
- 島の色:白
- 最高峰:パニアウ山(標高381m)
- 主要民族:ハワイ人
- 言語:ハワイ語(ニイハウの方言交じり)
島の花にも選ばれているププシェル(ニイハウシェル)は直径2〜3mmの小さな巻貝で、ニイハウの海岸でしか採れません。
このププで作られたレイは精巧で芸術的、大変に美しいもので、ハワイ王国の王族たちに愛用されてきました。
現在も、シェルレイは貴重なもので、島の収入源にもなっています。
ニイハウ島の歴史
ハワイの詠唱によると、ニイハウ島の最初は火山の女神ペレが、最初にハワイ諸島の中で家とした場所と言われています。
初期のポリネシア人がハワイの島々に移住したあと、カヘレラニと呼ばれるアリイ(首長)がニイハウ島を治めていました。
1778年に、ジェームズ・クックが訪問。あまりに乾燥した土地だったため、ニイハウ島では水や食料を十分に集められなかったと伝わっています。
1810年にハワイ王国に服属しました。
1864年、スコットランド人でプランテーション経営者のエリザベス・シンクレア婦人が、カメハメハ5世から1万ドルとピアノ1台でニイハウ島を購入しました。
シンクレア婦人の孫息子であるオーブリー・ロビンソンは島にキアウェの木を植え、外部からの立ち入りを一切禁じたため、このときから鎖国状態になります。
立ち入りを禁じた理由はニイハウ島に住むハワイ原住民の環境と伝統を守るため、とされていますが、はっきりしたことはわかっていません。
現在もシンクレア家の子孫であるロビンソン一家が島を所有しており、一般人の立ち入り禁止が守られています。
参考:公共財団法人ニイハウ文化遺産財団HP「ニイハウの歴史」
真珠湾攻撃にまつわるニイハウ事件
日本が真珠湾攻撃を行った際に、日本海軍の零戦のうち1機が、エンジントラブルでニイハウ島に不時着しました。
その当時、ニイハウ島の管理人として夫妻で移住していた日系2世の原田氏によって、操縦士の西開地氏が救助されます。
しかし島の住民に地図や拳銃を奪われた西開地氏は住民と争いを起こし、殺害されてしまいます。
原田氏はハワイに住むアメリカ人にもかかわらず敵国である日本人を助けてしまったと思い悩み、散弾銃で自殺してしまうという結果に。
この事件がきっかけで、日系人への不信感が高まり、日系人収容所の設営に結び付いたと言われています。
参考:wikipedia「ニイハウ島事件」
ニイハウ島が抱える問題
ニイハウ島は世界から隔離された島とも言えます。
現代の生活を支える便利なものはほぼなく、他島への移住や帰島によって、以下2つの問題は深刻化しています。
- 人口減少
- 技術者減少
クック船長が訪れたころは、サトウキビやパイナップルなどのプランテーションがあり、農業従事者とその家族で1万人ほどの人が住んでいたそうです。
しかし、プランテーションは1990年代に閉鎖。現在ニイハウ島への上陸が許されているのは、所有者のロビンソン一家とカウアイ島を含む郡にかかわる人に限定されており、今後も人口が増える見込みはありません。
2010年の国勢調査によると、当時ニイハウ島に住んでいたのは170人ほどでした。
子どもの数が減っているため、現在はもっと少なくなっていると言われています。
夏休み期間などは、家族そろってカウアイ島へ移動して過ごす人々が多く、その期間の島の人口は30人を下回ることもあるそうです。
また、特産品であるププシェルの加工ができる技術者も減少しており、貴重なププシェルレイの作り手が絶えてしまう恐れもあります。
ニイハウ島を観光できる唯一の方法
ニイハウ島への一般人の立ち入りは禁止されていますが、唯一、ヘリを使った観光ツアーを利用することで入島する方法があります。
このヘリは、島の所有者であるロビンソン一家が島民を病院へ運ぶために持っているもの。ヘリの維持費にツアー費用が使われているそうです。
5人以上集まることが条件ですが、ヘリのメンテナンスなどでのキャンセルも多いため、行けたらとても幸運であるくらいの気持ちでトライするようにしてくださいね。
費用も高額で、アメリカドルで数万円相当になります。
島の滞在は約3時間。美しい海辺を散歩したり、名産品のププシェルを探したり、シュノーケルをしたりできます。
ハワイ州で絶滅危惧種に指定されているハワイアンモンクシール(ハワイ固有のアザラシ)に会える可能性もありますよ。
観光時の注意点
ニイハウ島へはヘリコプターツアーで入島可能ですが、あくまでもビーチの一部のみです。
また、以下の注意点があるため、もしツアーに参加される方はしっかり覚えておいてください。
- 島民を撮影しない
- 島民に話しかけない
島民との関わりは一切が禁じられています。
ビーチにいる際にもしも島民を見かけても、カメラやスマートフォンを向けたり一緒に撮影したりしてはいけません。
話しかけることも禁止されているため、住民の生活の邪魔をしないように注意しましょう。
島民はハワイ語を話しますが、学校や他島での行動によって英語を扱える方もたくさんいます。
こちらの話を理解している可能性はありますが、交流は控え、人々の生活を尊重するという姿勢を保ちましょう。
「禁断の島」ニイハウ島は古代ハワイアンの文化を継続している
個人所有の島であるため外部からの立ち入りが禁止されており、今もなお、住民は古代ハワイと同じ生活様式を営んでいる島が「ニイハウ島」です。
ニイハウ島には、一般人が訪問できないからこそ、そのまま守られてきた言語や文化、自然があります。
もしも行く機会に恵まれた方は、ぜひ訪問してみてくださいね。今までとはまったく違う姿のハワイが、きっと見つかることでしょう。